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ういろう vs ういろ

2021年01月03日
『ういろう』と『ういろ』って違うんだよ
名古屋におけるういろうと言えば、大須ういろか青柳総本家と言うくらい人気を二分します。

『ういろう』はよく使われる言葉ですが、こちらが販売されているのは『ういろ』。
どう違うのかにも触れないと話が進んで行かなさそうなので分かる範囲で。

『ういろう』という言葉はいわゆる普通名詞。
一般に広まっている名称なので当然商標登録することはできません。
ちなみに青柳総本家は『青柳ういろう』という名で商標登録しています。
一方、大須ういろは差別化を図るためか、『ういろ』という固有名詞を作って商標登録しているというわけです。

つまり『ういろう』は普通名詞で、『ういろ』は大須ういろが商標登録している名前ということです。

名古屋のういろうは一般的にうるち米でできた米粉に砂糖を混ぜて蒸しあげたものが多く、米粉ならではのもっちりとした食感が特徴です。

ついでに言うと羊羹は餡を寒天で固めたもの。
求肥は餅米に砂糖を混ぜたもの。
単純な違いなんですが、限られた素材で大きく味や食感に違いを生み出すのは正に先人の知恵と言えます。

ただこのお店の店頭に掲げられていた商品の原料には、小麦という文字があったように記憶しているので、商標が異なるなりに素材や製造工程に違いがあるのかもしれません。

今回は名古屋に遊びに来たついでに4種類のういろが入った詰め合わせを買ってみました。
昔はこういう一口サイズのものは無くて、細長い金塊状のものしか見た記憶がありませんでした。
今では随分食べやすくなったものが売られているものです。

砂糖の入ったしろ、抹茶、さくら、そして漉し餡の入ったものだけ『ないろ』という名称になっています。

これは恐らく『ういろう』が元々『外郎』という言葉から来ているために、『内良』という言葉を作って充てたんじゃないかなぁと思いますが、あくまでこれは私の推測です。

漉し餡を加えるというのが、砂糖を加えるという従来のういろとは製法も異なるためにういろとは区別する必要があったんでしょう。

味は子供の頃から食べていた素朴な味そのまま。
使われている材料も限定的なので、ものすごく美味しいというわけでは決して無いんですが、変わらぬ良さというのもあるなぁと思わせるものがあります。

大須ういろは他に栄にも緋毬というカフェを出しておられるようですが、和菓子店として進化を求めながらも守るべき伝統は守り続けているんだなぁと感じた次第です。
今後も変わらぬ良さを提供していただきたいものです。
ごちそうさまでした。
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