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磯見漁

2020年07月26日
岩礁性の海辺は,海藻をはじめ魚介類のかっこうの生息地となり,また砂浜に比べて海水の透明度が高いところから,古来より,箱めがねを用いて水中をのぞきながら,もりややす,あるいはかぎで魚を突くミツキ,カナギ,イソネギなどと各地で呼ばれる磯漁の舞台として,日本の沿岸漁業の中で重要な位置を占めてきた。


【ともど】より
…現在は消滅し,わずかに隠岐の焼火(たくひ)神社と出雲の美保神社とに各1艘が標本として保存されているにすぎない。隠岐では昭和初年までまだかなり残っていて,カナギといわれる磯見漁に使われていた。


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隠岐は豊かな海の資源に恵まれた島です。漁民は、かんこと呼ばれる小型の和船(わぶね)で海に乗り出し、サザエ・アワビ・和布(わかめ)・魚などを収穫しました(隠岐ではかなぎ漁といっています)。この4つのヤスは、かなぎ漁で使われている代表的なもので、舟の上から箱メガネで海中の獲物を見つけ、このヤスで突いたり、引っかけたりして漁をしました。三叉(みつまた)のものは魚・サザエ用、カギ型はアワビ用で、竹で作られた柄も含め全体の長さは7m以上にもなります。


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「かなぎ漁」とは漁師が一人で小舟を操り、底にガラスを貼った「箱めがね」で海底を覗きながら、サザエやアワビ、ウニ、ワカメなどを突いて獲る島独特の伝統漁法。長い柄のついた「ヤス」などの漁具を用いますが、材料が「硬い木」であったことから「かなき」→「かなぎ」へ変化したのがその名の由来と言われています。


かなぎ漁が盛んになったのは明治末期ごろ。その時代にはまだ「箱めがね」のような便利な道具はなく「アワビの肝を口に含み、海面へ吹きかけながら海中を覗いていた」と伝えられています。


また、初期のかなぎ漁で使われていたのは「ともど」と呼ばれる和船でした。これは、隠岐にみられるくり抜き材を利用した古代船で、船形が箱型に平たく、波揺れが少ないことから、かなぎ漁にも盛んに用いられてきました。しかし、そんな「ともど船」も時代とともに衰退し、現存する船は島内でも1隻のみ。こちらは、国の重要有形民俗文化財として「西ノ島ふるさと館」で大切に展示保存されています。 昭和時代に入ると「ともど」に代わって機動性の高い「かんこ船」が使われるようになり、昭和20年以降は小型の動力船が主流となりました。


今回、漁を見せてくれた梶谷敏明さんも、動力船を使って「かなぎ漁」を行うベテラン漁師さんのひとり。片手でレバーを操り、船の向きを自在に動かしながら「ヤス」で海底を突くその熟練の技は「さすが!」のひとこと。夏のみ解禁され、体力がものをいう素潜り漁に比べ、かなぎ漁はサザエの禁漁期である5〜7月上旬、アワビの禁漁期である10〜11月以外は自由に漁獲が許されており、経験が漁獲量を左右するため、年齢を問わず取り組むことのできる漁法でもあります。


西ノ島町の食卓に欠かせない「活サザエ」や「活アワビ」は、この「かなぎ漁」や素潜りにより島民の手で漁獲されています。新鮮なその味わいは格別で、ふるさと納税の返礼品としても大人気です。


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漁師が一人で舟に乗り、カナギという道具を使って、サザエ・アワビを捕る漁です。

獲れたらこんな感じ。

この漁すごいんです。
この写真では分からないけど、上から見ると寝そべったまま、
左手で海を覗く道具を持って
右手でカナギと舟の左右の操縦
足で舟の前後の操縦
「ドラマーか?」
と心でつぶやいてました。
ここのじっちゃんは75歳で一日20キロぐらい持って帰ってくるんです。
サザエとアワビ合わせて200個ぐらいですよ!
凄すぎです!
ここのじっちゃん、ホントにすごいんです。
今度はじっちゃんの事を書きたいと思います。



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かなぎ漁について
 かなぎ漁というのは全国にある。たとえば三浦半島長井などで行われているがこちらでは「見突き漁」と呼ばれる。船から長い竿の先に様々な金具をとりつけて海底の磯のサザエやアワビ、海藻、ときには魚もとるものだ。これが島根県では「かなぎ」と呼ばれているのだけれど、漁の形態はほとんど同じであり、歴史も万葉の時代までさかのぼるものだという。
 多伎町の漁業のことは前もってなにも知ることはかなわなかった。日本海い面した小さな漁港ではあるが、知名度の高い浜田や隣町の大田とは違い、築地などでも「多岐漁協」の文字はみていない。夏なのだからシイラや、はまち(ブリの幼魚)、カンパチが多いのは予想通りであったものの、この地の前に広がる磯が広大でありウニやサザエ、アワビがとれる。そのサザエ、アワビを伝統的な、かなぎ漁でとることは漁協から遙か漁協の全面に続く磯に浮かぶ小舟を見つけたときに漁協専務の藤井さんから聞いたのである。

 多伎漁協の競りは10時半に始まり、すぐに終わってしまった。競り場のにぎわいはあっというまに消え去り、がらんとした競り場には猫すらいない。港を散策していると、おばさんががらんとした競り場にビールのコンテナを置いて机を作っている。どう見てもウニを剥く作業台だ。
「いつ頃、帰ってきますか?」と聞くとまだまだ帰ってこないだろうという。子供が二人、港の石積みで貝をとっている。見せてもらうとクボガイに見事なオオコシダカガンガラ。港はただただ静かで、夏の日本海には波の音もない。
 そんな時に沖合から小船が帰ってくる。船には鉄の銛のようなものがついた長竿が見える。間違いなく「かなぎ漁」の船だ。
 水揚げの競り場前まで行くと、太陽光線で焼き枯らしたような精悍な老人が船からあがってきた。水揚げはたっぷりのサザエとクロアワビ。お名前を聞くと浜光秀さん。
 その場で水揚げのアワビをなにやら調べている。かなぎ漁は船の上から竿で刺しとる。そのときにアワビに傷が付くとすぐに死んでしまい、売れないのだという。
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