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ありがとうございました ありがとうございます

2017年04月01日

ことばの仕組み(文法)

分類:その他(テンス)


感謝するのは現在なので、「ありがとうございました」は「ありがとうございます」が正しいのでは?
 「ありがとうございました」は、「ありがたかった」の丁寧形です(「ありがたかった」+「ございます」→「ありがたくございました」+ウ音便化→「ありがとうございます」)。ですから、「先日はわざわざお越しいただきましてありがとうございました」は、「先日わざわざ来てもらったことはありがたかった」と言っているわけです。この場合、「先日はわざわざお越しいただきましてありがとうございます」と述べることも可能ではありますが、「先日」「先ほど」「先だって」など、過去の時点を表す表現が現れたときには、やはり「ありがとうございました」と過去形にするほうが自然なように思われます。相手が過去に行なった行為への感謝は「ありがとうございました」、直前に行った行為への感謝は「ありがとうございます」が原則でしょう。

 これは「わざわざお越しいただきましてありがとうございました」と「わざわざお越しいただきましてありがとうございます」を比べた場合、より明確に感じられます。「わざわざお越しいただきまして」の部分は同じですが、前者ではそれが過去において行われた相手の行為を表しており、後者では直前に行われた相手の行為を表しています。

 しかし、現実にはこの違いを利用して、「ありがとうございました」を用いることが期待される場面で「ありがとうございます」を用いることがあります。相手が過去に行った行為に対して敢えて「ありがとうございます」を用いることによって、それを「ありがたい」と思う気持ちが現在においても変わらないことが表現できる、という意識が働いているように思います。
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